冬場の犬のお手入れ

犬には、水分を放出する「エックリン汗線」が肉球や鼻先など体の一部にしかありません。ですから、犬は汗をかかないイメージが定着しています。

しかし、犬のフワフワの被毛の下には「アポクリン汗腺」と呼ばれるものがあります。この部分から皮脂が分泌されており、皮脂によって犬の皮膚は保護されています。つまり、この皮脂が乾燥を防ぐのに欠かせない役割を果たしているわけです。

この皮脂は、ほこりや汚れとくっつくことで犬の皮膚に残ります。ゆえに、この皮膚の汚れをシャンプーで落とさなければいけません。シャンプーをすることは愛犬の皮膚トラブルを回避し新陳代謝を促し、健康を維持する上で欠かせないことなのです。

寒い日が続くと、犬にも負担がかかるのでは?という思いから、愛犬にシャンプーするのをためらってしまうかもしれません。しかし、冬の時期でも皮膚の汚れはあるので、月に一度はシャンプーすることをおすすめします。

冬のシャンプーにおける注意点

シャンプー前は念入りにブラッシング

ブラッシングは毛玉や汚れを取り除く効果があります。くし通りの良い状態でシャンプーをしてあげるなら、短い時間でシャンプーを済ませることが可能です。

愛犬の被毛が濡れた状態をできるだけ短くするためにも、念入りなブラッシングは欠かせません。毎日のお手入れにブラッシングを取り入れておけば、シャンプー前のブラッシングの時間を短くできます。

すすぎは念入りに

時間を短くしようとするあまりに、シャンプーが愛犬の被毛や皮膚に残らないようにしてください。すすぎ残しは肌トラブルの原因です。根元まできちんと流しましょう。

洗い流さないシャンプーなどの時短アイテムが数多く販売されています。愛犬の体調が良くない時はそれらを利用して、清潔な状態を保ってあげましょう。

しっかり乾かすこと

生乾きの状態が最も雑菌が繁殖しやすい状態となります。せっかく綺麗に洗ってあげても、きちんと乾かさないと意味がありません。

しっかりと乾かすためには、まずはタオルドライをきちんとしてあげることが大切です。
ドライヤーの熱を長時間あてることは犬にとっても負担になります。タオルドライをきちんとしてあげることでドライヤーの時間は半分以下になります。
その際のタオルは吸収性のよいタオルを使用することをオススメします。

そしてドライヤーをするときの注意点として、冬は必ず冷えやすいお腹から乾かすようにしてください。毛だけを乾かそうとすると表面だけが乾いて皮膚は生乾きのままになってしまうので、毛の根元から乾かすようにすることが大切です。
プードルやビションフリーゼなどの毛をふわふわに仕上げる犬種は毛流に逆らってブラッシングをしながらドライヤーをあててあげましょう。

しっかり乾いたかどうかの確認をする際は肉球の間もチェックするのを忘れずに!

お湯の温度を少し高めに設定

犬にシャンプーをするときのお湯の温度は35度から37度くらいのぬるま湯が最適といわれています。しかし、外気温が低めの冬のシャンプーは温度を38度くらいまで上げたほうが良いでしょう。あまりにも熱すぎると、火傷や皮膚のトラブルになるので注意してください。

暖かいお部屋を用意してあげること

水に濡れると水分が蒸発するときに体温を奪います。お風呂から出てドライヤーをかけるときには必ず暖かいお部屋で行ってください。
また、できればお風呂場も暖房をつけておいてあげましょう。お風呂場に暖房がなければ、浴槽にお湯をはって蓋を開けておいてあげると蒸気でお風呂場が暖かくなります。

冬のシャンプー前後はとにかく冷やさないことが重要です。

寒い冬は飼い主さんも愛犬のシャンプーがおっくうになってしまいがちです。
しかし、犬にとってのシャンプーは健康を保つための重要な役割も担っています。冷えないように工夫しながら、月に1度はキレイにシャンプーしてあげましょう。