子犬のおやつはいつから?

子犬を家族にお迎えするのはうれしいことです。しかし、お母さん犬から離れたばかりの小さな子犬を、初めてお世話するのは不安なことも多いかと思います。成長途中の子犬との生活の中で、食事のことはもちろん、おやつをどう与えていいのかは判断に迷うところ。

子犬におやつを与えてよい時期は、「生後3カ月を過ぎてから」とされています。市販されている子犬用おやつの表示を見ても、「生後3カ月から」のものがほとんどです。まだ内臓や消化器官が未発達である生後3カ月未満の子犬には、基本的におやつを与える必要はありません。

また「子犬用」と表示されているおやつは、硬さや大きさ、形状が子犬に食べやすいように作られています。3カ月を過ぎても、表示された月齢をよく見て選ぶようにしましょう。

子犬におやつを与えてもいいのはいつから?



具体的な時期でいうと、生後2~3ヵ月、だいたい離乳食が終了する時期くらいまではおやつを与えてはいけません。
この時期は特に、おやつを喉に詰まらせたり消化不良を起こしてしまったりと、事故や体調不良につながることが考えられます。また、体をどんどん作っていく時期にあたりますので、フードからしっかりと栄養をとる必要があります。そのため、おやつを与えるのはもう少し待ってください。

生後3ヵ月頃からは、やわらかく小さいサイズのおやつを与え始めても良い時期に入ってきます。
3ヵ月を過ぎたといっても、まだ内臓がしっかりと成熟しているわけではありません。硬いおやつは内臓の粘膜を傷つけてしまいかねませんので注意してください。与えるのはやわらかいボーロや小さめのクッキーなど、消化吸収しやすい物にします。
ただ、月齢はあくまでも目安です。子犬はそれぞれに成長の度合いが異なります。ぐんぐん丈夫に育つ子もいれば、ゆっくりと大きくなる子もいます。ですから、生後3ヵ月になったからといって、どの子にもおやつを与えても大丈夫とは言い切れません。

子犬が家に来たばかりの頃は、新しい環境に慣れるのにも大変な時期です。子犬の様子をしっかり観察しておやつを与えても良いかどうか判断する必要があります。初めのうちは、いつも食べているドッグフードを何粒かおやつとして与えてみるところから始めるのがいいかもしれません。

生後6カ月から、ガムなどの硬めのおやつもOK

生後6カ月を過ぎると、徐々に硬めのおやつ、デンタルケア用のおやつなども与えることができます。
またこのころから、乳歯の生え変わりがはじまるため、歯をむず痒く感じている子も多いことでしょう。
噛みたい欲求を満たしてあげる、ガムなどのおやつがおすすめです。


ただし夢中になって噛み過ぎて、生え変わったばかりの歯が欠けてしまっては大変ですので、硬すぎるものには注意が必要です。必ず、子犬用を選ぶようにしましょう。

そもそも、犬におやつは必要?

犬にとっておやつは本当に必要な物なのでしょうか?基本的に、1日に必要なフードの量を食事として食べられていれば、おやつは本来必要ありません。フードだけで1日に必須の栄養の補給は十分できてしまうからです。

ただ、生後3~6ヵ月頃は、ちょうど1日の食事回数が減少していく時期にあたります。
子犬がお母さん犬から乳離れしてごはんを食べ始める生後50日くらいからの離乳期から生後6ヵ月くらいまでは、子犬は消化機能が未熟なため、一度に多くの量のごはんを食べることができません。そこで、最初のうちは1日3~4回に分けてごはんを食べさせます。生後3ヵ月を過ぎてくるあたりから、その回数を徐々に1日に2回へと減らしていきます。

このとき、それまでよりも食事と食事の間隔が大きく開いてくるため、子犬がおなかを空かせてしまうこともあります。時には、おなかが空くことでイライラしたり、胃酸過多で吐いてしまったりすることも。
そこで、食事の回数を減らしていく際に、おやつを与えることで空腹をやわらげてあげることができます。ですが、肝心の食事のときに食欲がなくなってしまってはいけないので、食事と食事のあいだのタイミングを見計らって与えてください。

ほかにも、しつけをするときのご褒美や飼い主さんとのコミュニケーション、初めて会う人からおやつをもらうことで社会性を育てるきっかけにするなど、おやつには子犬のおなかを満たすだけではない役割もあります。

おやつを使ってしつけをスムーズに

子犬にとってのおやつは、食事と食事の間の空腹を満たす役割を果たしますが、しつけをする際にも大いに利用できるアイテムになります。

ご褒美に大好きなおやつをもらえたら、愛犬のトレーニングへの意欲は格段に高まります。ご褒美としておやつをあげるときのポイントは、1回に与えるおやつの量をできるだけ少なくして、回数を多く与えられるようにすることです。そして言葉でもたくさん褒めてあげましょう。

1日の適切なおやつ量はフードの10%程度

1日に与えるおやつの量として適切なのは、1日に摂取するフード量の10%といわれています。愛犬が喜ぶ姿を見るとついたくさんあげたくなりますが、犬の健康のためにも、あげすぎにはくれぐれも注意しましょう。

おやつを与えるタイミングはいつ?

子犬におやつを与えるのに適したタイミングは、いつなのでしょうか。ここでは、おすすめのタイミングを3つご紹介します。

しつけ時に、飼い主さんからの指示通りにできたとき

しつけをするにあたって、飼い主さんからの指示を子犬が上手にできたら、たくさん褒めてご褒美としておやつを与えると、子犬は褒められたことを理解しやすくなります。トイレトレーニングや日頃の生活に必要な「待て」「お座り」「おいで」「伏せ」などの行動を教えるのに効果的です。

ただし、これらの指示を身につけて成功する率が高くなってきたら、毎回ご褒美をあげる必要はありません。というのも、そのままご褒美を与え続けていると、何かができたらおやつをもらうのが当然となってしまい、「おやつをもらうために飼い主さんの言うことを聞く」という行動パターンにつながってしまうため、注意が必要です。

飼い主さんの指示に従うようになってきたら、おやつを与えるのは数回に1回にとどめます。その代わり、たくさん褒めてあげてください。トイレの成功や飼い主さんの指示に従うのは当たり前のこととして、最終的には言葉で褒めてあげることだけで落ち着くはずです。しつけの際のおやつは、あくまでも子犬が覚えるためのきっかけだと心掛けましょう。

動物病院へ行き、診察を受けた後

ご褒美としておやつを与えるタイミングとしては、動物病院に行くときもいいでしょう。
子犬のうちはワクチンなどの予防接種、健康診断などで動物病院に行く機会も多いものです。診察を受けた後のご褒美におやつを与えると「病院でがんばったからおやつをもらえるんだ!」と記憶して、病院嫌いになるのを回避できるかもしれません。

「はじめまして」の人に会ったとき

公園で初めて会った人や家に訪れたお客さんなど、これまで会ったことのない「はじめまして」の人からおやつを与えるのもおすすめです。そうすることで人間に馴れ、社会性を育てる一助にもなります。

子犬におやつを与える際は、様子を見つつ少量から

人間と同様、子犬にとってもおやつはうれしいもの。おやつには、しつけや子犬の社会性をはぐくむメリットもあります。ただし、子犬の体の成長具合や体調によって食べられるおやつと食べられないおやつがあるため、おやつを与える際には十分な観察が必要です。また、子犬が喜ぶからといって、与えすぎには注意すべきでしょう。嗜好性がよいからといって、おやつが食事の代替になることはないため、与える際には十分な配慮が必要です。
おやつは必ず適切な量とタイミングで与え、子犬の健康維持に努めながら、子犬との日々の暮らしを楽しんでください。